診療実績
現在行っている内分泌外科の診療概要を紹介いたします。
対象疾患
内分泌臓器すなわち、甲状腺、副甲状腺(上皮小体)、副腎の機能性、腫瘍性疾患
診療内容
甲状腺疾患
悪性腫瘍、良性腫瘍、バセドウ病、橋本病、亜急性甲状腺炎、急性化膿性甲状腺炎など内科的、外科的甲状腺疾患を幅広く診療しています。
甲状腺分化癌に対する術後成績は極めて良好で、10年生存率は95%をこえています。反回神経麻痺や副甲状腺機能低下などの合併症の頻度も最小限に抑えられています。 また、当科の清水一雄初代教授が世界に先駆け1998年に開発した内視鏡補助下頸部手術(VANS法)は、経験数1000例を超えています。
若年女性に多い甲状腺(副甲状腺)手術では、前頸部を切開する通常手術と比べて、頸部に傷跡が残らない点で美容上大変優れており、術後疼痛や頸部の違和感も少なく、患者さんにとってきわめて満足すべき結果を得ています。詳しくは、「内視鏡手術について」をご覧ください。
腫瘍径1cm以下の無症候性(転移・浸潤のない)微小乳頭癌は、とくに性質がおとなしく生涯無害に経過する可能性もある超低リスク癌と考えられるため、手術のほかに、手術せずに経過観察する方法(アクティブ・サーベイランス法)も選択肢として提示し、十分な説明と同意のもと患者さんのご希望(インフォームド・デシジョン)に応じて対応しています。
副甲状腺疾患
原発性副甲状腺(上皮小体)機能亢進症および透析患者さんに多い続発性(腎性)副甲状腺機能亢進症を治療対象としています。
副腎疾患
二次性高血圧の原因となる原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫などの機能性副腎腫瘍のほか、非機能性腫瘍でも増大傾向のある4㎝を超えるものは外科的治療の対象です。